透明性の高い石油それでは電気・ガスの税はどうか。
石原・銀行税導入構想が打ち上げられた時、複雑な表情だったのは電力・ガス業界だった。
初の外形標準課税の導入などというように早とちりしたむきも少なくないが、両業界は生・損保業界を含めて以前から外形標準課税が導入されてきており、撤廃要求から全業種導入要求への方向に向かっていたからである。
電気にかかる特有な税金もあまり知られていない。
屯力会社は外形標準課税になっていたこともあまり知られていなかったように,電気にかかっている税金としては,消費者が負担している税金には電源開発促進税と核燃料税の二つがある。
電源開発促進税は七四年度から実施された税で、一キロワット時当たり四十四・五銭。
それに核燃料税という、原子力発電に使う原子力燃料の価格にかけられる税がある。
核燃料税は原子力のある自治体が条例で定める税であり、電源開発促進税は国税だ。
意外にシンプルだが、消費税導入の際にそれまであった電気税が廃止されたからであり、までは三つの特有な税金があった。
目下の問題は電源開発促進税の使途だ。
いわゆる電源三法による電源対策が「所管の通産省でも全体像がわかる役人は一人もいないのでは」といわれるほど複雑になっている。
この税も特定財加で電源開発促進対策特別勘定にまとめられ、電源立地対策に前川されているのだが、支払う電力会社も不満、受益者の立地自治体も不満という不思議な税だ。
どう使われているのか一般の消費者にはまずわからない税だが、どこかの原子力発電所のある自治体を訪れてみよう。
ちょっと飛び抜けて立派な建物にぶつかる。
市民ホールであったり、公会堂であったりする。
そうした施設がこの税からの電源三法交付金によって建てられたケースが多い。
注意深くその問辺を見れば、その旨が書き込んである。
しかし、これがハコもの行政として批判の対象となっている。
理由は簡単、自治体にとって維持が負担となり、使われなくなる施設が続出しているとされている。
むろん、有効に市刑されている施設も少なくないのだが、このハコもの行政が立地問題打開に果たす役割は限界にきていることは確かだ。
地元からは地元が自主的に使える財源にしてほしいという要望が高い。
それでもこうした使途はまだしも、場合によっては町のシンボルにはなる。
ところがその対象の広がりを見ると首を傾げたくなるものもある。
ちょっとした公共的な施設はそのほとんどが対象になる。
これは確かに使い勝手がよくなる反而、立地促進の観点からはその効果が雲散霧消、電力側には不満が残る。
また立地点にとっての最大の不満は電源立地促進対策交付金が予算ベースでは高いのに、支出ベースでは低いこと。
通産側の説明は「立地調整が難航、交付金を必裂としなかった」となるのだが、九六年度などは予算規模七百五十億円に対し不旧制が五百十億円となっており、この予算は恒常的に余っているということになる。
この結果、この予算を転用、無駄使いしているという指摘も少なくない。
地元対策とは直接関係のない研究委託の明大、拡大解釈による海外研修員の受け入れなどが問題になっているのは事実だ。
「せっかくの対策費が問題になってしまうのはブラックユーモア」という批判さえ出ている。
エネルギー税制の見直しも今が好機かもしれない。
この二〇〇〇年三月末には大きな節目となる電力の大口小売り自由化が実現した。
電力・ガス・石油などがそれぞれの特色を出して競い合う。
できるだけ条件はイコールフイツティングであることが望ましい。
その観点からはどういう税制が望ましいのか。
問題の外形標準課税にしてもすでに電力・ガスには導入されている。
電力業界の試算では最近十年間の税を所得課税方式でやれば約一兆円税負担が軽くなったという。
一方の石油業界は必要以上の備蓄義務などが税と同様の負担になっているという。
エネルギー市場が否応なく形成されつつある状況で、その競争のフィールドの整備は欠かせない。
また、論議が根強く残る環境税に関しても単純に、エネルギーに税をという発想や論議ではなく、目的と実際の効果を十分検討する必要がある。
石油業界がもうこれ以上の税は必要ない、という主張は現在の石油税制を見れば当然であり、総合的な視点から検討していく必要がある。
また、その税は特定財源がいいのか、一般財源とするのかの見極めも重要だ。
税は不必要な支出を作るという側面をガソリン税が、はからずも示している。
環境税が時代の流れという錦の御旗とは単純には考えられない。
エネルギー問題、規制緩和・自由化、そしてエネルギーの安全保障問題も視野に入れて、さらに総合的なエネルギー税制のあり方が議論されるべきだろう。
大事な夏ピーク対策電力需要の夏ピーク対策は日本のエネルギー問題の大きなテーマのひとつ‘た。
経済性から、環境問題の側面からなど、多面的な理由から模索されてきた問題なのだが、まだ一般の関心は必ずしも高くない。
しかし、政府も経済構造改革のひとつに取り上げており、将来は国民的な運動にしていこうという機運も高まってきている。
難しい言葉では負荷平準化とか負荷率改善とかいわれるが、大胆かつ簡単にいってしまえば冷房対策といってもいい。
夏ピークの問題はむろん、今に始まった問題ではない。
毎年、夏の冷房需要の高まりとともに、「中子闘の高校野球のテレビ観戦をがんがん冷房の効いた部屋で」という話が象徴的な例えとして残っている。
夏場に電力需要が急激に高まることはかねて電力業界の大きな悩みになっていた。
しかし、これまでは話題にはなっても、社会問題、あるいはエネルギー問題の根幹に関わる重要課題という意識はほとんどなかったといっていい。
それはあくまで電力業界自体の問題であって、消費者にとっては直接には無縁だったといえる。
今でもこの問題を意識する消費者は例外的・な存在といえるかもしれない。
ところが九七年あたりから政府、業界あげて、この問題を重視し、「負荷平準化」「負荷率改善」をひとつの政策課題にまで押し上げてきた。
少しオーバーだが、冷房対策がようやく公認されたといっていい。
冷房と負荷平準化、負荷率改善。
身近な言葉と難解な言葉。
この二つの言葉の繋がりから、問題の核心に迫ろう。
この問題を理解するためにまず、電気の使われ方を知ることが必要だ。
そのひとつは電気はいつも同じように使われているわけではないということ。
つまり一日単位で見れば、午後二時前後が最も消費量が多く、夜明けが少ない。
一年単位では、夏場の冷房需要の高まる時期に最大限に活用され、原則冬場が少ない。
ここでは電気の性質が関係してくる。
電気も少量であれば確かに貯蔵できる。
しかし、今のところ大量に貯蔵する技術は確立されていないから、原則として発電された電気はその時点で全部消費されなければならない。
逆に消費量に見合って、常に電気は発電されなければならず、その分の発電設備が必需となる。
ここから問題が出てくる。
なぜなら消費量がどれだけ大量にあっても、電力業界には供給義務があって、供給できない、ということは原則としてはできない。
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